「いま乗っている軽乗用車(5ナンバー)で、週末だけでも軽貨物の副業ができないか」——買い替えずに始められたら、開業のハードルはぐっと下がりますよね。結論から言うと、手持ちの軽乗用車でも黒ナンバー化はできます。ただし、事業用に切り替えると「積める重さ」に制限がかかり、そこを知らずに始めると「受けたのに運べない案件」が出てきます。この記事では、何が変わって・何に気をつければいいのかを、副業目線で整理します。

結論:5ナンバー車でも黒ナンバーは取れる。ただし積載は実質165kg

かつては、貨物軽自動車運送事業(=黒ナンバー)に使える車は、車検証に「最大積載量」の記載がある貨物車(4ナンバーの軽バン・軽トラなど)に限られていました。

これが2022年10月27日施行の改正で見直され、軽乗用車(5ナンバー)でも貨物軽自動車運送事業に使えるようになりました(国土交通省の報道発表による)。つまり、いま自家用で乗っている軽自動車を、届出とナンバー変更で「仕事に使える車」にできるということです。

ただし乗用車には本来「最大積載量」という概念がありません。そこで事業用に使う場合は、乗車定員をもとに積める重さを計算する運用になります。よく用いられる考え方は次の通りです。

たとえば4人乗りの軽乗用車に運転手1人だけで乗る場合は、(4 − 1)× 55kg = 165kg が積める上限、という計算になります。軽バン(4ナンバー)の最大積載量が概ね350kg前後であることと比べると、半分以下です。ここが「落とし穴」です。

※積載量の正確な算定方法や車両ごとの数値は、必ず車検証と国土交通省・各運輸支局の案内で確認してください。

「165kg」で運べる案件・運べない案件

165kgと言われてもピンと来ないので、実務のイメージに落とし込みます。

運びやすい(軽い・かさばらない)

要注意(重い・まとめ積みする案件)

副業で始めるなら、まずは軽い荷物の宅配・デリバリー系と相性が良い、と考えておくと安全です。「重い荷物をたくさん」という案件は、4ナンバーの軽バンの方が向いています。将来そちらに寄せていくなら、車両の買い替えも視野に入ります。

手続きの流れ(副業で始める場合)

大まかな流れは、貨物車で始める場合と基本的に同じです。

  1. 営業所(使用の本拠)を管轄する運輸支局に、貨物軽自動車運送事業の経営届出を行う
  2. 運賃料金表など必要書類をそろえて提出する
  3. 軽自動車検査協会で、事業用の黒ナンバーの交付を受ける

自家用(黄色ナンバー)から事業用(黒ナンバー)への変更になるため、任意保険や車両保険の扱いも「事業用」に切り替える必要が出てきます。自家用のままの保険では、事業中の事故がカバーされない可能性があるため、契約中の保険会社に「軽貨物の事業用として使う」と必ず伝えて確認してください。必要書類・手数料・様式は変わることがあるので、最新のものは運輸支局・軽自動車検査協会の案内で確認しましょう。

実務メモ:日報・記録・請求は最初から一本化しておく

黒ナンバーで開業すると、「いつ・どこへ・何を運んだか」を残す運行の記録や、副業でも避けられない確定申告のための売上・経費の管理が必要になります。副業だと本業の合間に処理することになるので、後回しにすると一気に大変になりがちです。

これらをバラバラの紙やアプリに分散させず、最初から一つの流れにまとめておくと、月末や確定申告のときに楽になります。副業で件数が少ないうちに「記録の型」を作っておくのがおすすめです。

まとめ:やることリスト

手持ちの車で小さく始めて、案件が重い方向に育ってきたら車両を見直す——副業ならこの順番が現実的です。積載165kgという条件を理解したうえで、無理なく運べる案件から始めましょう。

参考