「最近、軽貨物への安全のチェックが厳しくなってきた気がする」——2025年に安全管理者の選任や点呼・業務記録が入ってきて、そう感じている個人事業ドライバーは多いと思います。実はその流れには、国が描く"大きな計画"の裏づけがあります。

2026年3月31日、国土交通省は「事業用自動車総合安全プラン2030」を策定しました。ここで、これまでトラックにまとめられていた貨物軽自動車(軽貨物)が、初めてトラックと分けて「独立した削減目標」を持つ対象になりました。この記事では、①なぜ軽貨物が別枠になったのか → ②2030年に向けて国が目指す姿 → ③ドライバーが先回りで整えておくべき記録・体制、の順で、軽貨物目線で整理します。

先に結論:軽貨物は「別枠で管理される業態」になった

以下、順番に見ていきます。

① なぜ軽貨物が「別枠」になったのか

これまでの安全プラン(プラン2025)では、貨物軽自動車運送事業はトラックに含めた形で目標が立てられていました。今回のプラン2030から、トラック(軽を除く)と軽貨物を分けて目標を設定する形に変わりました。

理由は事故の増え方です。国交省の資料によると、平成28年(2016年)から令和5年(2023年)にかけて、保有台数1万台あたりの事業用軽自動車の死亡・重傷事故件数が約4割増加したとされています。宅配便の取扱個数が増え、軽貨物で働く人・走る車が増えたことと重なった動きです。

「台数が増えたから事故も増えた」だけではなく、1万台あたりで見ても増えている——つまり1台1台の危険度が上がっているという読み取りができる数字です。これが、軽貨物を独立した管理対象にした大きな根拠になっています。

② 2030年に向けて国が目指す姿

プラン2030は、令和12年度(2030年度)までを計画期間とする中期計画です。全体では従来からの「24時間死者数」などの目標を掲げつつ、各業態ごとに個別目標を設けているのが特徴です。軽貨物については、追突事故の件数といった個別目標が設定されています。

もう一つ押さえておきたいのが、目標の"測り方"の変化です。従来の件数ベースの目標に加えて、走行距離あたりの件数を併記する方針が示されています。よく走る業態ほど「たくさん走れば事故も増えて当然」という言い訳が効きにくくなり、走った距離に対してどれだけ安全かが問われる方向、と言えます。

こうした目標を達成するために、2025年4月から始まった軽貨物の安全対策——貨物軽自動車安全管理者の選任・講習、点呼、業務記録の作成・保存など——が、計画のもとで定着・強化されていくと見るのが自然です。具体的な義務の中身・対象範囲・保存年数などは、最新の正確な情報を国土交通省等の公的情報で確認してください。

③ ドライバーが先回りで整えておくこと

「指導・監査が強まる」と聞くと身構えてしまいますが、個人事業ドライバーがやることは、突飛な対策ではありません。求められている記録を、毎日きちんと残しておく——これに尽きます。先回りで整えておきたいのは次のあたりです。

これらは「監査のため」だけのものではなく、未払い・トラブル時の証拠や、自分の稼働を振り返る材料にもなります。

記録は"バラバラ"にしないのがコツ

点呼はアプリ、業務記録は手書き、事故メモはスマホの写真……とバラバラに残すと、いざ見せる・振り返るときに探せません。日々の記録は、できるだけ一つの流れ(同じ場所・同じフォーマット)にまとめておくと、後から求められても慌てずに済みます。走行距離あたりで安全性が問われる時代には、日々の運行が自動的に記録として積み上がる形にしておくほど有利です。

まとめ:今日からやることリスト

制度は年々アップデートされます。数字や義務の細かい範囲は、必ず国土交通省の公表資料で最新を確認してください。

参考