配達のたびに「ここに停めて大丈夫か」とヒヤヒヤしながら荷物を運んでいませんか。コインパーキングが近くにない、あっても出し入れで時間を食う、かといって路上に停めれば駐車違反のリスク——軽貨物の現場では誰もが抱える悩みです。

実は、こうした集配のための駐車には「警察署長の駐車許可」という正攻法の選択肢があります。しかも2025年(令和7年)7月から運用の見直しが行われ、配達のように停める場所が事前に特定しづらい仕事でも使いやすくなりました。この記事では、その申請のしかたを公的情報をもとに整理します。

結論:集配用途なら「駐車許可」を取れば合法的に停められる

道路交通法では、警察署長が「駐車許可」を出した場所・時間については、駐車禁止の規制があっても駐車できる仕組みがあります。公共交通機関などでは目的の達成が著しく困難な用務に使う車が対象で、警察庁は貨物の集配を対象になり得る用務として明記しています。

2025年7月からの新しい運用では、配達ドライバーにとって特に次の点が現実的になりました。

つまり「この建物の前」とピンポイントで縛られず、エリアと時間帯のまとまりで許可を受けられる方向になった、ということです。

まず整理:「貨物車専用枠」とは別の制度

ここで混同しやすいのが、2026年4月から東京都内で始まった「貨物集配中の貨物車に限る」駐車枠(標識による規制緩和)です。これは標識のある決められた場所に、集配中であれば停められる仕組みで、自分で申請して許可証をもらうものではありません。

一方この記事の「駐車許可」は、自分で警察署に申請して許可証を受け取り、許可された場所・時間に停める制度です。根拠も対象も別物なので、

と使い分けるイメージで捉えると分かりやすいです。

申請先と必要書類

申請先は、駐車したい場所を管轄する警察署です。複数の警察署の管轄区域にまたがって駐車する場合でも、いずれか一つの警察署で一括して申請・交付の手続きができます。

主な必要書類は次のとおりです(詳細は管轄の警察署で確認してください)。

申請書などは統一の様式が用意されています。

エリア指定・時間帯指定の考え方

配達の仕事は「どの家に何時に行くか」を事前に細かく確定できないのが普通です。新しい運用は、まさにこの実態に合わせています。

ただし、許可はあくまで「公共交通機関等では目的達成が著しく困難な用務」のためのものです。許可された目的・場所・時間の範囲で使うものであり、休憩や食事のための駐車に流用できるものではない点に注意してください。

実務メモ:許可エリアと配送記録を一本化しておくと楽

駐車許可を申請するときは「いつ・どのエリアで・どんな集配をするか」を示す必要があり、許可を取った後も、その範囲内で運行しているかを自分で把握しておく必要があります。

これらが日々の業務記録としてまとまっていれば、申請の根拠資料づくりにも、許可範囲を外れていないかの確認にも使えます。日報・配送記録をひとつの形で残しておくと、こうした手続きのたびに資料を探し回らずに済み、結果的に時間の節約になります。

注意:運用の細部は都道府県警ごとに差がある

駐車許可制度は全国共通の枠組みですが、必要書類・審査にかかる期間・エリア指定の具体的な書き方などの運用は、都道府県警察ごとに差があります。「全国どこでもまったく同じ」と考えず、必ず実際に申請する場所を管轄する警察署に確認してください。有効期間や様式などの取り扱いも今後変わる可能性があるため、最新の正確な情報は警察庁・各都道府県警察の公的情報で確認することをおすすめします。

まとめ:やることリスト

駐車許可は「知っていれば使える」正攻法の制度です。毎日の集配を少しでも安心して回すために、まずは自分のエリアで使えるかを管轄署に確認するところから始めてみてください。

参考