「安全管理者って自分には関係ない」と思っていませんか
黒ナンバーで軽貨物を始めたばかりの方や、一人で開業している個人事業主の中には、「安全管理者」という言葉を最近になって初めて聞いた、という方も多いのではないでしょうか。
「一般トラックの話で、軽貨物には関係ないのでは」「自分は一人でやっているから対象外なのでは」と思われがちですが、実は一人親方の個人事業主であっても対象になります。届出や講習を放置していると、選任期限が迫ったときに慌てることになりかねません。この記事では、制度の中身と、今からやるべきことを整理します。
結論:営業所ごとに「安全管理者」を選び、届出と講習が必要
貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)を営むすべての事業者は、営業所ごとに「貨物軽自動車安全管理者」を選任し、運輸支局等を通じて国土交通大臣に届け出る必要があります。
一人で開業している個人事業主の場合、自分自身が安全管理者になるケースが一般的です。選任した人は、国土交通大臣の登録を受けた講習機関で講習を受ける必要があります。
この制度は2025年4月1日(令和7年4月1日)に施行されました。令和7年3月31日以前に経営届出を行っていた既存事業者については、貨物軽自動車安全管理者の選任が令和9年(2027年)3月31日まで猶予されています。具体的な運用の詳細は変更される可能性もあるため、必ず国土交通省・各運輸局の最新情報で確認してください。
なぜこの制度ができたのか
国土交通省の資料によると、保有台数1万台当たりの事業用軽自動車の死亡・重傷事故件数が平成28年から令和5年にかけて約4割増加したことなどを踏まえ、法令が改正され、安全対策を強化する目的で導入された制度です。営業所ごとの安全管理者選任のほか、点呼や運転日報(業務記録)の作成・保存など、一般貨物運送事業者に近い安全管理の仕組みが軽貨物にも求められるようになっています。
何をすればいいか(大まかな流れ)
- 安全管理者になる人を決める 一人事業主であれば基本的に自分自身。複数名で営業所を構える場合は、誰か一人を選任します。
- 講習を受ける 国土交通大臣の登録を受けた講習機関(国土交通省のウェブサイトに一覧が掲載されています)で、安全管理者としての講習を受講します。受講方法・費用・所要時間は講習機関によって異なるため、事前に各機関の案内で確認してください。
- 選任・届出を行う 運輸支局等を経由して、安全管理者の選任を国土交通大臣に届け出ます。届出書の様式は運輸局のウェブサイトで公開されています。
- その後の運用 選任した安全管理者は、その後も定期講習(更新講習)を2年ごとに受講する必要があります。具体的な時期は制度の案内で確認してください。
すでに開業している事業者は選任・届出・講習の完了までに猶予期間がありますが、これから開業する場合は、開業手続きの一環として講習受講が求められる流れになっています。「自分はいつまでに何をすればいいか」は、事業を始めた時期によって異なるため、国土交通省または管轄の運輸局に直接確認するのが確実です。
実務メモ:選任・受講の記録も「残せる形」にしておく
安全管理者の選任や講習の受講は、一度やって終わりではありません。更新講習の時期を忘れずに管理したり、選任届出の控えをすぐ取り出せるようにしておいたりすることも、地味に重要な実務です。
日々の運転日報や点呼記録、請求書などの管理を紙やバラバラのファイルで行っていると、こうした「制度対応の記録」まで一緒に管理するのは大変になりがちです。日報・記録・請求をひとつのツールにまとめておくと、いざ確認や監査が入ったときにも慌てず対応しやすくなります。
まとめ:まずやることリスト
- 自分の事業が「貨物軽自動車安全管理者」の選任対象かどうかを確認する
- いつまでに選任・届出・講習を終える必要があるか、国土交通省・運輸局の最新情報で確認する
- 登録講習機関の一覧をチェックし、受講方法・費用を確認する
- 選任後は、更新講習の時期を忘れないよう記録しておく
制度の詳細(施行日・猶予期限・講習内容など)は変更されることがあります。最新の正確な情報は国土交通省・管轄の運輸局の公式情報で必ず確認してください。