「点呼って会社員がやるものでしょ? 一人でやってる自分には関係ないのでは」——そう思っていませんか。

実は2025年4月から、軽貨物(黒ナンバー)の事業者にも業務前・業務後の点呼と、その記録を1年間保存することが義務づけられました。しかも「一人で事業をしている場合であっても、自ら実施する必要がある」と国土交通省が明記しています。つまり個人事業主のドライバーは、自分で自分に点呼をする=自己点呼が必要なのです。

とはいえ、「自分に点呼ってどうやるの?」「何を確認して、どう書けばいいの?」と戸惑う人がほとんどでしょう。この記事では、自己点呼の中身から記録の残し方、アルコールチェッカー選びまでを順番に整理します。

結論:やることは「確認」と「記録」の2つだけ

難しく考える必要はありません。自己点呼でやるべきことは、突き詰めると次の2つです。

  1. 業務の前後に、自分の状態と車の状態を確認する(お酒が残っていないか、体調は大丈夫か、車に異常はないか など)
  2. 確認した内容を点呼記録簿に書いて、1年間保存する

この「確認」と「記録」が抜けていると、義務違反になります。逆に言えば、毎日この2つを淡々と続けるだけでクリアできる、ということです。

なぜ義務になったのか

2024年(令和6年)5月15日に公布された改正法(流通業務の総合化・効率化促進法および貨物自動車運送事業法の一部改正)にもとづき、軽貨物事業者への規制が令和7年(2025年)4月から段階的に施行されました。背景には、軽貨物の配送が急増する一方で事故も増えているという事情があります。

これにより軽貨物事業者には、おおまかに次のような安全対策が求められるようになりました。

点呼はこのうちの一つで、「運転者が安全に運行できる状態かを業務の前後に確認する」ための仕組みです。

自己点呼で確認する項目

貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条(点呼等)にもとづくと、確認する内容は次のとおりです。

業務前の点呼で確認すること

業務後の点呼で確認すること

ポイントは、業務前・業務後ともに酒気帯びの有無を確認すること、そして体調が悪いなど安全に運転できないおそれがある場合は運行してはいけないことです。「少し熱っぽいけど稼ぎたいから走る」は、自己点呼の趣旨に反します。

アルコールチェッカー(アルコール検知器)は必要?

酒気帯びの確認は、目視等での確認に加えてアルコール検知器を用いて行うことが求められます(貨物自動車運送事業輸送安全規則 第7条)。検知器は、呼気中のアルコールの有無や濃度を、音や数値で示せる機能を持つものを備え、常時有効に保持しておく必要があります。

選ぶときの実用的な目安は次のとおりです。

なお、検知器の細かな運用(センサーの有効期限管理など)や今後の通達による見直しの可能性もあるため、最新の正確な情報は国土交通省の公的情報で確認してください。

点呼記録簿の書き方

「記録なんて面倒」と思うかもしれませんが、国土交通省が点呼記録簿のサンプル(様式)を公式に配布しています。まずはこれをダウンロードして使うのが一番確実で早道です。

記録簿に書く主な項目は、確認項目とほぼ重なります。

書いた記録簿は1年間保存します(業務記録=運転日報も同じく1年保存、事故の記録は3年保存です)。

補足:点呼を実施する人について。本来は貨物軽自動車安全管理者が点呼を行うことが想定されていますが、経過的な取り扱いとして、令和9年(2027年)3月31日までの間は事業者内の人が点呼を行っても差し支えないとされています(その後は貨物軽自動車安全管理者が実施)。詳細な条件は変わる可能性があるため、最新の正確な情報は国土交通省等の公的情報で確認してください。

「日報・請求・記録の一本化」で点呼もラクになる

ここまで読んで、「点呼記録、運転日報、健康記録……書くものが多すぎる」と感じた人も多いはずです。実際、義務化された記録は点呼だけではありません。

紙の記録簿を何種類も使い分けると、書き忘れ・紛失・「去年の分どこいった?」という事態が起きがちです。とくに1年間の保存が義務なので、紛失は地味に痛い。

そこでおすすめなのが、点呼・運転日報・請求などの記録をデジタルで一本化するやり方です。スマホで業務前にチェックを付ければ点呼記録になり、同じ流れで日報も残り、そのまま保存・検索できる——という形にしておけば、毎日の手間も、後から探す手間も大きく減らせます。KeibakoBill はこうした軽貨物の記録の一本化をサポートするために作られています。

まとめ:今日からやることリスト

自己点呼は、慣れてしまえば1日数分のルーティンです。「事故を起こさないための確認を、毎日記録として残しておく」——その積み重ねが、いざというときに自分を守ってくれます。

なお、施行日・確認項目・保存年数・アルコール検知器の取り扱いなどの具体的な要件は今後変更される可能性があります。最新の正確な情報は、国土交通省・各運輸局等の公的情報で必ず確認してください。

参考