「今月は荷量が少なくて、国民年金まで手が回らない」——夏場に売上が落ち込みやすい軽貨物の仕事では、こう感じる月が誰にでもあり得ます。2026年度の国民年金保険料は月額17,920円。売上が細った月には、決して軽い負担ではありません。

先に結論です。払えないからといって、未納のまま放置するのが一番損です。 国民年金には所得に応じた「免除・納付猶予」の制度があり、承認されれば保険料を払わなくても年金の資格や保障を守れます。そして、2026年度分(2026年7月〜2027年6月)の申請が、この7月から可能になりました。 今まさに申請のタイミングです。

「未納放置」と「免除」は天と地ほど違う

同じ「払っていない」状態でも、未納と免除ではまったく扱いが異なります。

つまり免除は「ずるい抜け道」ではなく、収入が苦しい年のために国が用意した正当な選択肢です。

免除は4段階+「納付猶予」がある

免除には所得に応じて 全額・4分の3・半額・4分の1 の4段階があります。加えて、20歳以上50歳未満の方には「納付猶予」という仕組みもあります。

所得の目安(前年所得で審査されます)は次のとおりです。

たとえば単身のドライバーなら、全額免除の目安は前年所得67万円以下。売上ではなく経費を引いた「所得」で判定される点がポイントです。

なお納付猶予は、承認されれば受給資格期間には入りますが、将来の年金額には反映されません。免除に該当するならまず免除、という優先順位で考えましょう。

将来の年金はどれくらい減る?——「追納」で満額に戻せる

免除期間の年金額への反映は、全額免除で2分の1、4分の3免除で8分の5、半額免除で8分の6、4分の1免除で8分の7です。減るには減りますが、ゼロにはなりません。

さらに、免除・猶予された保険料は10年以内であれば後から納付(追納)でき、追納すれば年金額を満額に戻せます。 「今年は苦しいから免除、余裕が戻ったら追納」という使い方ができるわけです。時間が経ってからの追納には当時の保険料に加算が付く場合があるため、追納の詳細は日本年金機構の案内で確認してください。

廃業・失業したときは「特例免除」がある

軽貨物をたたんで転職を考えている、あるいは事業を廃止したばかり——そんな場合には、失業・倒産・事業の廃止などの事実を確認できれば、前年所得にかかわらず免除・納付猶予を受けられる特例があります。「去年はそこそこ稼いでいたから所得基準に引っかかる」という人でも対象になり得るので、廃業した年こそ忘れずに検討してください。申請には失業や廃業を確認できる書類が必要です。

申請方法——2026年度分は7月から受付中

免除・納付猶予の年度は 7月から翌年6月まで の区切りです。2026年度分(2026年7月〜2027年6月)は、2026年7月に入ってから申請できるようになりました。

実務メモ:申請判断は「月次の売上把握」から始まる

免除の審査は前年の「所得」で行われます。つまり、日々の売上と経費が月ごとに把握できていないと、自分が基準に該当するかどうかの判断すら難しいのが実情です。日報・請求書・入金記録がバラバラに散らばっていると、確定申告のときに慌ててかき集めることになり、免除申請のような「所得を根拠にした制度活用」のチャンスも逃しがちです。日報・請求・入金を一つのツールに一本化して月次の収入変動を見える化しておくと、「今年は免除を申請すべき年か」がすぐに判断できます。

まとめ:今日やることリスト

  1. 未納の月がないか確認する(ねんきんネット等で自分の納付記録をチェック)
  2. 前年の所得と免除の所得基準を照らし合わせる(単身なら全額免除の目安は前年所得67万円以下)
  3. 該当しそうならマイナポータルか窓口で2026年度分を申請する(受付は始まっています)
  4. 廃業・失業した人は特例免除を検討する(前年所得は問われません)
  5. 余裕が戻ったら10年以内の追納で年金額を満額に戻す

「払えないから放置」だけは避けてください。免除は申請して承認されて初めて効果が出る制度です。最新の正確な情報や個別の判定については、日本年金機構の公式情報で確認してください。

参考